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2006年07月04日

トラウトニウム

Amazon.co.jpに注文していたOskar Salaのトラウトニウム曲集が届いたので聴いてみる。

B00002459KElektronische Impressionen
Oskar Sala Paul Hindemith Hans Stadlmair
Erdenklang

by G-Tools
  1. Hindemith: 7 Triostücke für 3 Trautonien (1930)
    ヒンデミット:トラウトニウムのための7つの小品
  2. Hindemith: Konzertstück für Trautonium mit Begleitung des Streichorchesters (1931)
    ヒンデミット:トラウトニウムと弦楽のための協奏曲
  3. Sala: Elektronische Impressionen

ヒンデミットは3台のトラウトニウムのために曲を書いたわけですが、実際に3台でこの曲を演奏されたことはないのではないかと思います。そもそもトラウトニウムがそれだけの台数存在するのか、また奏者がいるのか怪しい上に、2002年にオスカー・ザラが亡くなった今となっては、この先もこれらの曲をトラウトニウムの生演奏で聴く機会はなさそうです。

トラウトニウムについて詳しくは知りませんが、少なくともこれらの曲を聴く限りでは、ワタクシには楽器としての魅力はあまり感じられません。このぐらいならば、その後のmoogや現在のシンセで完全に代用できそうです。
しかし、これらのトラウトニウムのために書かれた曲は、だからと言って今後演奏されることがないのはあまりにも惜しいです。
今年の1月に名古屋で行われた、「電子楽器スーパーリサイタル2006〜3台のオンド・マルトノと電子オルガンによる〜」では、このヒンデミットの『7つの小品』がオンド・マルトノ3台によって演奏され、このCDで聴けるトラウトニウムでの演奏よりも遙かに色彩豊かで素晴らしい曲だと感じましたので、今後もトラウトニウム以外の楽器でもまた聴いてみたいと思います。

科学技術の進歩に基づいて作曲されたものというのは、例え曲としては素晴らしくても、その技術が廃れてしまうと、演奏される機会さえなくなってしまいます。現在のMIDIを使った現代曲も、MIDI再生装置が生産されなくなれば、少なくともオリジナルな形では演奏できなくなります。
芸術と技術のバランスを保つのは難しいことだと感じます。

そんなことを考えると、現在でも独自性を保っているオンド・マルトノを開発したモリス・マルトノのバランス感覚と先見性に脱帽してしまうわけです。

トラウトニウム(オスカー・ザラ?)のオフィシャルサイトがありました。
-->Trautonium


以下のCDではヒンデミットの『トラウトニウムと弦楽のための協奏曲』のみ収録。Apexレーベルなので安いです。

Satie: Musique d'Ameublement; Vexations; Concertpiece for Trautonium & StringsSatie: Musique d'Ameublement; Vexations; Concertpiece for Trautonium & Strings
Ensemble Ars Nova/Constant
by G-Tools

投稿者 Utayume : 2006年07月04日 21:20| 01 Ondes Martenot /Classic

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