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2004年11月28日
ジャズ・ロックのおかげです
だいぶ前にピーター・バラカンらが執筆した「ジャズ・ロックのおかげです」が出版されたとき、「あ〜、自分のことだー」と思ったものです。
もともとわたしはプログレ好きだったわけですが、プログレを通じてジャズ・ロックに出会い、さらにINCUSやFMP、ICPといったヨーロッパ・フリーへと行き着きました。プログレは自分にとって原点というか、基礎を作ってくれたもの、そしてジャズ・ロックは、もっと広い世界、自由な音楽を教えてくれたのでした。
「ジャズ・ロックのおかげです」は主にジャズ側からのジャズ・ロックへのアプローチを解説した本(前から疑問だったんですが、ジャズからのアプローチならロック・ジャズと言うべきなんじゃないだろうか?)ですが、わたしがジャズ・ロックと言われてすぐに思いつくのがソフト・マシーンをはじめとするカンタベリー・ロックなのです。
ということで、ソフト・マシーンについて。
ソフト・マシーンの主なディスコグラフィーは以下です。
The Soft Machine (1968.12、Amazon.co.jp)
The Soft Machine Volume Two (1969.4、Amazon.co.jp)
Third (1970.6、Amazon.co.jp)
Fourth (1971.2、Amazon.co.jp)
Fifth (1972.6、Amazon.co.jp)
Six (1973.2、Amazon.co.jp)
Seven (1974.5、Amazon.co.jp)
Bundles (1975.4、Amazon.co.jp)
Softs (1976.6、Amazon.co.jp)
The Land of Cockayne (1981、Amazon.co.jp)
一般的にプログレの名盤として紹介されるのが1stか3rdだと思うのですが、ソフト・マシーンを知るためにはこれでは不十分ですね。
1stと2ndはサイケ色が強く、まだバンドとしての方向性が見えておらず、正直言って、同時期UFO CLUBで競演していたピンク・フロイド等他のサイケバンドと比べてもそれほど面白いとは思えず、少なくともソフト・マシーンで最初に聴くアルバムではないと思います。
Miles Davis「Bitches Brew」(1969.8)
Weather Report「Weather Report」(1971)
The Mahavishnu Orchestra「The Inner Mounting Flame」(1971.8)
Chick Corea「Return to Forever」(1972.9)
1969年にマイルス・デイヴィスが「Bitches Brew」(1969.8)を発表し、それに対抗するようにソフト・マシーンはジャズ・ロックの道を歩むわけです。ここで注目すべきは、ジャズ側からジャズ・ロックへアプローチしたバンドの発表よりも、ソフト・マシーンの3rdの方が発表が早いというこですね。しかもウェザーのジョー・ザビヌルとウェイン・ショーターもジョン・マクラフリンもチック・コリアもマイルスの下でジャズ・ロックというものを学んだのに対し、マシーンはきっかけはマイルスであったかもしれませんが、独自の解釈でジャズ・ロックというものを表現したのです。
そしてマシーンの3rd。ここで明らかにジャズを取り入れた新しいロックの表現がみられるわけですが、このアルバムは1曲目の最初からいきなり難解です。言うまでもなく名盤なのですが、実験色が濃いために、これまたマシーンの中で最初に聴くアルバムとしてはあまりふさわしくないのではと思います。ただし、ロバート・ワイアットの美しい歌声が聴ける「Moon in June」だけは先に聴いておいて損はない曲です。
で、結局、ソフト・マシーンの中でわたしが一番おすすめしたいのが『Fourth』です。
1曲目の「Teeth」でわたしはやられます。
このアルバムから『Six』まではジャズ色がもっとも濃い、というかほとんどジャズなのですが、それでもやはりジャズ・ロックなので、それほど聴きにくくはないと思います。
この頃のライブ映像(「BEAT CLUB」。DVD化はされていませんが、音源では『Virtually』に入っています)が残っていますが、淡々とした演奏風景でものすごくかっこいいのです。
こんな感じで全アルバムについて書こうと思ったのですが、とても書けそうにないので止めます。詳しくは、最近出た『ストレンジ・デイズ別冊−カンタベリー・ミュージック』でも読んでください。^^;
Progressive Cafeさんへのコメントにも書きましたが、一番わたしが聴くのは『Bandles』なんですね。まぁ、このアルバムはマシーンというよりも、アラン・ホールズワースのプレイを聴くためのアルバムです。
つい最近、ソフト・マシーンの紙ジャケが発売された際に、友人にどのアルバムが良いか聴かれて、とてもひとつに絞れず、「全部」と答えた上に、マシーンよりもマッチング・モールの1stの方がいいんじゃない?と言ってしまったわたしでした。^^;
カンタベリー・ロックを知るにはマシーンのどれか1枚よりもマッチング・モールの方がいいかな、と思ったんです。
そんなわけで、中途半端ですがProgressive CafeさんへTB。
投稿者 Utayume : 2004年11月28日 23:08| Jazz
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このリストは、次のエントリーを参照しています: ジャズ・ロックのおかげです:
» Soft Machine from Progressive Cafe
〜 プログレバンドしりとり合戦 #33 〜
・投稿コメント (うた夢さん)
まだ出ていませんでしたよね?
説明無用ですね。カンタベリー繋がりというか源流。
... [続きを読む]
トラックバック時刻: 2004年11月29日 13:26
コメント
いや〜結局「そっくりモグラ」と「3rd」と「Fourth」の3枚を購入しました。いやハマりましたよ。長尺曲なのにiPodにいれたりしてます(爆)その前に教えてもらった「キャラヴァン登場」も凄い良かったです。
投稿者 BASSMAN SYB : 2004年11月29日 01:46
ほー、3と4を買いましたかー。なかなかいい感じです。
次はHatfield and the Northあたりをおすすめします。
カンタベリー最高傑作だとわたしは思っています。
投稿者 うた夢 : 2004年11月29日 11:03
TBありがとうございました
私はジャズロック(カンタベリー含む)系があまり得意でないので、こちらの投稿はとても参考になります(ということでお返し差し上げました)。
ホールズワースお好きなんですか?
投稿者 francofrehley : 2004年11月29日 15:33
francofrehleyさん>
TB返し&コメントまでありがとうございます。
ホールズワース好きですねー。
昔は特に意識してなかったのですが、ふと気が付くとホールズワースの参加アルバムはかなり持っていたりします。
ジャズ・ロック系の超絶ギタリストが好きみたいです。
ホールズワースはもちろん、ジョン・マクラフリン、そして鬼怒無月さん。。。
投稿者 うた夢 : 2004年11月29日 18:08
管理人様、失礼いたします。
掲示板をご覧の皆様にコンサートのお知らせをさせていただけますでしょうか。
“リメンバー・シャクティ”ジョン・マクラフリン&ザキール・フセイン公演決定。
2005年1月31日、アジアツアーの中で、一日限りの特別な日本公演が実現します!!
インド古典音楽を超えたスピリチュアル・フュージョン!
世界頂上級の音楽家5人による、優雅な音楽格闘技!
孤高の英国人ギタリスト、ジョン・マクラフリンと
タブラ・ビート・サイエンスでのライヴも大いに話題になった
インド最強のタブラ奏者ザキール・フセインに、
インド古典音楽の未来を担う若手音楽家3人を従えた5人組
“リメンバー・シャクティ”の再来日決定!
今回の公演では、ヴォーカリストの参加にも注目!!
10月29日(金)より、チケット発売開始!!
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《リメンバー・シャクティ 日本公演》
□ 日時: 2005.1.31 (月)
□ 場所: 東京オペラシティ コンサートホール(初台)
開場 18:30 開演 19:00
□ チケット発売日 10月29日(金):S席\ 7,000/A席 \ 6,000
□ チケットお取り扱い:
チケットぴあ:0570-02-9999(オペレータ対応)
0570-02-9966(Pコード185-732)
e+(イープラス):eee.eplus.co.jp(PC/携帯)
ローソンチケット:0570-000-403(オペレータ対応)
0570-063-003(Lコード33379)
東京オペラシティチケットセンター:03-5353-9999
カンバセーション:03-5280-9996
後援:InterFM、インド大使館、ブリティッシュ・カウンシル
協力:ユニバーサル クラシックス&ジャズ
企画・制作/お問い合わせ:カンバセーション
Tel:03-5280-9996 E-mail:mail@conversation.co.jp
コンサートインフォメーション:
http://www.conversation.co.jp/concert/shakti.html
投稿者 カンバセーション : 2004年12月15日 18:09
はじめまして。
ワイアット好きの私にとって、マシーンのアルバムと言えば3rd。そして、一曲を選べと言われればUtayumeさんもおすすめの moon in june なわけです。
けれども、エレクトリックなマイルスも好きなわたしはジャズロックな 4〜6もかなり好きです。おっしゃる通り ”ほとんどジャズ” に激しく同意です。
投稿者 masatox : 2005年01月16日 11:01
masatoxさん、コメントありがとうございます。
ワイアットがお好きなら、確かに3rdからマッチング・モールというところでしょうね。
ソフト・マシーンはその時々でキーパーソンがいて、どの時期も非常に高いクオリティで、わたしはどれも好きなんですよね。
既に存在しないグループではありますが、今後一生聴いていくだろうと思っています。
投稿者 うた夢 : 2005年01月17日 02:18