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2006年08月08日
諸井誠・安部公房『音楽詩劇:赤い繭』
埋もれた日本の歴史的電子音楽を発掘しCD化しているOMEGA POINTからの新譜。ラジオドラマのような感じで、台詞のバックで全体に電子楽器が使われています。1960年録音、NHK電子音楽スタジオによる作品。
音楽詩劇:赤い繭 諸井誠 |
この録音では、驚くべきことに若き日の高橋悠治氏がオンド・マルトノを弾いています。
このことは作曲者諸井誠氏自らによるCDの解説で触れられていますので、確かでしょう。
実際に聴いてみると、確かにオンド・マルトノが聞こえます。しかも、この時代にありがちな単なる効果音的な使い方だけではなく、オンド・マルトノらしいポルタメントなどもあり、高橋悠治氏が適当に弾いた訳ではなく、ある程度研究した上で演奏されていることが伺えます。
考えてみればクセナキスの弟子でもあった高橋悠治氏ですから、当時オンド・マルトノに興味を示したのも別段驚くほどのことではありませんが、今までに高橋悠治氏とオンド・マルトノの関連を耳にしたことがなかったので、これ以後は興味を失ってしまったのでしょうか。現在オンド・マルトノに対してどのように思っているか聞いてみたいところです。
しかしながらこの手の録音はなかなか音源化されることがないので、非常に画期的な発掘です。
投稿者 Utayume : 2006年08月08日 18:00| 01 Ondes Martenot
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