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2005年03月27日
ロックの中のオンド・マルトノ
先日のエントリーでオンド・マルトノを使ったプログレッシブ・ロック・グループのET CETERAのことを書きましたので、ついでに、オンド・マルトノが使われているロックの紹介です。
というと、今なら真っ先にレディオヘッドを思い浮かべる人も多いかと思います。現にワタクシが最近オンド・マルトノを通して出会った人は、レディオヘッドによってオンド・マルトノを知ったとおっしゃる方がものすごく多く、その影響力の大きさを実感しています。
ただ、ET CETERAのエントリーでも書きましたが、レディオヘッドの中でのオンド・マルトノは、オンド・マルトノらしい表現や演奏を聴くことはできません。もちろんジョニー・グリーンウッドのオンド・マルトノに対する“思い”は感じられます(詳しくはオンド・マルトノ友の会会報『リボン』01号、02号、03号を参照)が、「これがオンド・マルトノの音だ」と言われれば、ワタクシは否定したいところです(というかどれがオンド・マルトノなのかワタクシにさえわからない)。
そんなわけで、オンド・マルトノの音がちゃんと聴けるロックのCDを紹介してみます。
Rock On [Columbia] David Essex by G-Tools |
一発屋として有名なデヴィッド・エセックス、1973年のアルバムです。8曲目の「For Emily, Whenever I May Find Her」でジョン・モートン(John Morton)の弾くオンド・マルトノが聴けます。
一発屋と聞くと安易な音作りと思われるかもしれませんが、アルバム全体としてかなり凝った作りになっています。特にこの曲は演劇的かつドラマティックな展開でプログレっぽさも感じられます。
なお、ジョン・モートンはカナダのオンディストで、後述するシンシア・ミラーのカナダでの最初の先生だということです。
As Time Goes By Bryan Ferry by G-Tools |
ロックファンにはおなじみのブライアン・フェリーです。元ロキシー・ミュージックという肩書きも必要ないくらいソロとしても有名になりました。
1999年のこのアルバムは映画「カサブランカ」で有名な「AS TIME GOES BY」に代表されるように、スタンダード曲をカバーした落ち着いたAORなアルバムで、1、4、5、8、15曲目でシンシア・ミラーのオンド・マルトノが聴けます。
どの曲もヴァイオリンやクラリネットといった室内楽曲的な楽器構成なのでオンド・マルトノが自然にとけ込んでいます。ただ、これがロックかと言われれば、サウンド的には既にロックとは言えないかもしれません。その代わりに非常に美しいオンド・マルトノの演奏を聴くことができます。
Joe Jackson: Night Music Graham Maby Mary Wooten Albert Regni Joe Jackson by G-Tools |
80年代に売れまくったジョー・ジャクソンの1994年のアルバムです。
1曲目と最後の10曲目でカナダのオンディスト、ジャン・ローランドー(Jean Laurendeau)の弾くオンド・マルトノが聴けます。
このアルバムも上記のブライアン・フェリーと同じようにクラシック楽器を多用した落ち着いたアルバムです。80年代のジョー・ジャクソンの面影はほとんど感じられません。
オンド・マルトノを目的に聴くにもちょっと物足りないかもしれません。
なお、ジャン・ローランドーは2004年にN響の『メシアン:神の現存のための小典礼』のオンド・マルトノソリストとして来日しました。(インタビュー記事をオンド・マルトノ友の会会報に掲載予定)
En Chair et en Os Arthur H et le Bachibauzouk Band by G-Tools |
アルチュールHとそのバンドであるバシブズーク・バンドが奏でるフランスのキャバレー音楽です。アルチュールHについては、「フランス版トム・ウェイツ」「セルジュ・ゲンスブールの後継者」などと言われているようです。バシブズーク・バンドのレギュラーメンバーとしてオンディストが常に在籍しているのでこのライブ盤以外でもバシブズーク・バンド名義の数枚のアルバムでオンド・マルトノを聴くことができます。
このアルバムをはじめ多くのアルバムではレディオヘッド2001年カナルプラスでのライブにも競演したトマ・ブロシュ(THOMAS BLOCH)がオンド・マルトノを弾いています。
オンド・マルトノを聴くにはバシブズーク・バンド単独名義の『Space Cabaret』というアルバムがオススメなのですが、現在入手は困難なようです。
以上4枚を紹介してみました。
敢えてハラダさんのアルバムは紹介しませんでしたので、追々紹介していきます。
投稿者 Utayume : 2005年03月27日 23:10| 01 Ondes Martenot
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