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2005年07月24日
ロックの中のオンド・マルトノ その2
以前のエントリーの第二弾として最近入手したCDを。
Open Fire Ronnie Montrose by G-Tools |
モントローズというと、後にヴァン・ヘイレンに加入するサミー・ヘイガーがいたバンドというちょっとかわいそうな紹介をされがちなバンドですが、ロック史からは初期のアメリカン・ハード・ロックとして重要かもしれません。ワタクシは70年代以降のアメリカン・ロックは基本的に苦手だったりしますが(笑)。で、このアルバムはモントローズ解散後の78年にロニー・モントローズが出したファースト・ソロ・アルバムで、エドガー・ウィンターがプロデュースしています。
アルバム全体的にはアメリカン・ロックらしからぬ非常に知的な(アメリカン・ロックが知的ではないと言う意味ではありません)サウンドで、むしろブリティッシュでありがちな、多少実験的なアルバムです。
アルバムのライナーを見てみると、5曲目「LEO RISING」(3:46)に「Jim Alcivar: martenot」との記述があります。「ondes martenot」とは書いていませんが、まずオンド・マルトノでしょう。Jim Alcivarはモントローズ時代からのキーボーディストです。
その曲を聴いてみると、アコギが主体で2分10秒ぐらいのところから40秒ほど鍵盤奏法によるソロっぽい演奏が入ります。それだけ。思わす「それだけかよ!」と叫んでしまいました(笑)。確かにオンド・マルトノの鍵盤っぽい音ではありますが、ポルタメントを使っているわけでもないし、ビブラートがかかっているわけでもない、プリンシパルの音(というかPA直結ですね、多分)だけなので、別にオンド・マルトノじゃなくてもいいじゃんってぐらいです。
蛇足ながら、2曲目のタイトル曲である「OPEN FIRE」にはテルミンも使われていますし、その他の曲ではmoogも使われています。と言ってもそれほど電子音楽っぽい印象がないのはさすがです。
The Whole World's Goin' Crazy April Wine by G-Tools |
カナダでは有名なハード・ロック・バンド(現在も活動中のようです→リンク)の76年のアルバムです。
そのアルバムの3曲目「Wings Of Love」にオンド・マルトノが使われています。これが素晴らしい! 曲の背後にずっとオンド・マルトノが舞っています。アルバム中この曲だけ異色で、他は大味なハード・ロックなのですが、これだけプログレっぽさを感じます。ライナーの記述を見て納得。オンド・マルトノを弾いているのはMarie Bernard、そう以前エントリーしたET CETERAのオンディストなのでした。この方が入るだけで雰囲気ががらりと変わりET CETERAに近いサウンドになっています。この方ジャン・ローランドー率いるオンド・マルトノ五重奏団であるENSEMBLE D'ONDES DE MONRÉALの一員でもある、生粋の(?)オンディストです。
ワタクシにとっては、アルバムの他の曲は面白くありませんでしたが、この曲だけはオススメできます。
投稿者 Utayume : 2005年07月24日 05:09| 01 Ondes Martenot
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