2009年03月11日
Musique pour Ondes MartenotA1. Pierre ARVAY : Sonate
B1. Charles KOECHLIN : Chant de sérénité
B2. Gustave SAMAZEUILH : Luciole
B3. Edward MICHAËL : Elégie
B4. André JOLIVET : SérimpieNelly Caron (Ondes Martenot), Guillemette Boyer (piano)
10 inch 45 rpm record on Teppaz Lyon, 245.001, mono, made in France
先日某所にて28ドルで購入しました。
存在すら知らなかったレコードです。
ジャケットにも盤にも年代の表記はありませんが、ペラジャケのモノラル10インチ盤であることと、くたびれ具合から1960年代前半頃に発売されたもののような気がします。
オンディストはネリー・カロン。ジャンヌ・ロリオのオンド・マルトノ六重奏団に参加していたことで名前は知っていましたが、それ以外の録音は聴いたことがありません。
A面全てを使った12分半ほどのArvayの曲はネリー・カロンのために書かれた曲のようです。3分半ほどのケクランの曲はジャンヌ・ロリオの教本にも掲載されておらず、ググってみても何もヒットせず謎の曲です。しかしこれが非常にすばらしく、ケクランらしく瞑想的な曲で、このアルバムの中で一番のお気に入りです。Samazeuilhも名前も知りませんでしたが、ジャンヌ・ロリオの教本によると、1933年にモリス・マルトノのために書かれた曲のようで、オンド・マルトノ黎明期の貴重な曲だと思います。曲としては連符が続いて「熊蜂の飛行」みたいな感じです。ミカエルはオンド・マルトノのために多くの曲を書いている作曲家です。ジョリヴェは多くのオンディストにとって重要なレパートリーである『三つの詩曲』(Trois Poemes)の中の1曲。
10インチ故に収録時間が短い(全曲で約23分)にも関わらず、内容は非常に充実しており、大収穫の1枚でした。
オンド・マルトノ曲音源を多数所有しているワタシでも、まだまだ未知の音源が存在することを再確認。それは、それだけオンド・マルトノに魅力を感じる人が多いからに他なりません。
投稿者 Utayume : 23:47 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot
2009年02月25日
菅野よう子さんはオンド・マルトノを使用した多数のCM音楽を制作していますが、以前リリースされた「CMようこ」では、オンド・マルトノ使用曲は入っておらず残念に思っていましたが、最近リリースされたらしい『CMようこ2』では念願のオンド・マルトノ使用曲が含まれています。
15. 悲愴 ('97 日立企業広告「知られすぎていた男」篇 TV- CMソング)
曲名から察せられるように、ベートーヴェンピアノソナタ8番第2楽章の編曲で、オンド・マルトノは原田節さんです。
9曲目の「赤い太陽 ('08 濵田酒造 海童 祝の赤 TV-CMソング)」もCM放送時から怪しいと思っていたのですが、オンド・マルトノかどうかは未確認です。23曲目の鏡月グリーンCM曲は同じ曲でオンド・マルトノバージョンもあるのですが、ここではオンド・マルトノなしのボーカルバージョンでした。残念。2曲目「子鹿 ('92 AVON TV-CMソング)」もちょっと怪しいかな。
まぁ、「悲愴」がリリースされただけでもよしとしましょう。
たぶん、後でCDでもリリースされるはず。
「雪国まいたけ」とJR東日本のシリーズを出して欲しいなー。
iTunes Store iMix - オンド・マルトノ Ondes Martenot
(追記)
AmazoにCD版の商品ページが追加されていました。
インディペンデントレーベル (2009-04-22)
売り上げランキング: 270
投稿者 Utayume : 09:55 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot
2009年02月24日
Ici D'ailleurs (2005-12-12)
売り上げランキング: 82824
最近知って面白く聴けたCDです。
レジデンツと言えば目玉人間の知る人ぞ知る謎のカルトロックバンドですが、そのレジデンツのカバー曲集というだけでなく、メンバーにオンディストのChrisine Ott(ヤン・ティルセンバンドのメンバーでもあります)を含み、ほとんどの曲でオンド・マルトノが非常に目立つアレンジとなっており、マニアックな内容ながら、高度な音楽性で楽しめます。
これだけのビートとオンド・マルトノを共存させた希有な例として絶賛します。レディオヘッドファンにもオススメです。
Narcophonyというのは、恐らくこのアルバムのためだけのバンドのような気がしますが、これだけでは非常に惜しいので、継続して活動して欲しいところです。
YouTubeにはライブ映像がいくつかアップされていますので、ご覧ください。
YouTube - Christine Ott - Ondes Martenot (live avec Narcophony)
YouTube - Narcophony "Wurst" live Lyon
YouTube - Narcophony - Rail Théâtre 2004
YouTube - Narcophony "Wurst" live Paris
投稿者 Utayume : 07:22 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot
2009年01月22日
Maurice Jarre: Concert Works (1951-1961) [Limited]
数週間前にScreen Archives Entertainmentで見かけて、限定1500枚とのことだったので速攻注文しましたが、ちょっとお高めですがタワーでも売っていました。
言うまでもなく映画音楽の大作曲家であるモーリス・ジャールの、珍しいオリジナルコンサート用楽曲集です。収録曲の中にオンド・マルトノとパーカッションをソロ楽器とした10分ほどの組曲が含まれています。
Three Dances for Ondes Martenot and Percussion
1.Sacred Dance 2.Profane Dance 3.Ritualistic DanceOrchestre de la Radiodiffusion Française
conducted Serge Baudo
Ondes Martenot: Jeanne Loriod
Recorded on 1/23/1951
というように演奏者も豪華です。
音源はINA所蔵の放送用音源のようです。
曲としてはモーリス・ジャールの壮大な映画音楽を期待するとちょっと肩すかしかもしれませんが、「らしさ」は非常に感じられますし、オンド・マルトノの音色は多彩で楽しめます。
このCDでオンド・マルトノはこの曲だけですが、他の収録曲としては、ピアノとパーカッションのデュオである「Ancient Suite For Percussion Instruments and Piano」がシンプルな楽器構成の割にジャールっぽさが感じられて楽しめました。
投稿者 Utayume : 20:49 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot
2008年12月31日
JVCエンタテインメント (2008-12-24)
売り上げランキング: 7640
やっとサントラが発売されましたので、購入して確認。
ondes martenot : 原田節
とのクレジットが確かにあります。
聴いてみたところ、少なくとも5曲ほどで確かにオンド・マルトノの音が確認できます。
特にM-24の「white snow」では、恐らく多重録音によりオンド・マルトノのみで演奏されており、非常に原田さんらしい演奏ですし、オススメできます。ただ、サントラだけに各曲が2分前後と短いのが残念です。
アニメの方は当初主人公の俺様キャラへの変貌ぶりにうんざりして見るのを止めていたのですが、今月からまた見始めたらまぁまぁ見られるようになりました。それでもやっぱり好みではありませんが。(苦笑)
とりあえず2クールアニメらしいので、1月からも見るつもりです。
さて、メシアン生誕100年、モリス・マルトノ生誕110年の今年、オンド・マルトノを耳にする機会が多かったかもしれませんが、このブログの更新頻度はあんまり変わりませんでしたね。(笑)
来年もゆっくり更新していきますので、お付き合いいただければ幸いです。
よいお年を。
投稿者 Utayume : 13:22 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot /08 Manga&Anime
2008年12月12日
Amazonに注文しておいた「Messiaen: Fête des Belles Eaux」(「美しき水の祭典」「美しい水の祭典」)が数日前に無事届きました。収録曲目は以下です。
Messiaen: Fête des belles eaux pour sextuor d'ondes Martenot
(メシアン:オンド・マルトノ六重奏のための美しき水の祭典)
Messiaen: Feuillets inédits
(メシアン:未刊の音楽帖)
Ravel: Quatuor à cordes en fa majeur
(ラヴェル:弦楽四重奏曲)
これ、かなり素晴らしいです。
「美しき水の祭典」の全曲新録音はもちろん素晴らしいことでメシアン100周年の今年に相応しいと思いますが、ワタシとしてはラヴェルを録音されたということが驚きですし、画期的なことだと思っています。
ラヴェルは弦楽四重奏曲をオンド・マルトノ四重奏用に編曲したというのは知られています(ジャンヌ・ロリオの教本に記載あり)が、今までワタシの知る限りではその録音はありませんでした。編曲譜面が残っているのかわかりませんが、このCDではラヴェル編曲ではなく、「transcription: Ensemble d'Ondes de Montréal」となっています。それでもこうしてオンド・マルトノ四重奏による演奏を聴けるのは非常に喜ばしいことです。
Atma Classique (2008-11-18)
売り上げランキング: 5285
iTSでも購入できます。(もちろん全曲試聴可)
Ensemble d’Ondes de Montréal, Marie Bernard, Suzanne Binet-Audet, Genevieve Grenier, Estelle Lemire, Louise Larose & Jean Laurendeau - Messiaen: la Fête Des Belles Eaux
YouTubeには、このCDのプロモーション映像が公開されています。録音風景もちょっとだけ見られるので必見です。
YouTube - Fête des belles eaux (English version)
YouTube - Fête des belles eaux (version française)
ついでに発見した以下の映像(オンド・マルトノ四重奏)はなんでしょう?
投稿者 Utayume : 09:04 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot
2008年11月19日
○既にご覧になったかたも多いと思いますが、パナソニックのデジカメ「LUMIX G1」のCM(樋口可南子出演)でオンド・マルトノが聴けます。音楽、オンド・マルトノは原田節さん。
さらに、紹介し忘れていましたが、数ヶ月前から放映されていた資生堂アクアレーベル「秋の浜辺」篇(大竹しのぶ出演)でも原田さんのオンド・マルトノを聴けます。
→CMロードショー|デジタルカメラ LUMIX(ルミックス)|Panasonic
→資生堂 CM Cafe
→オンド マルトノ奏者ハラダタカシのページ Ondes Martenot
○現在放映中のテレビアニメ「カオス;ヘッド」(CHAOS;HEAD)の劇中BGMにオンド・マルトノが使われています。音楽:tOkyO、オンド・マルトノ:久保智美。
→TVアニメ カオスヘッド [CHAOS;HEAD]
→オンド・マルトノ奏者 久保智美
○mixiから生まれたオーケストラであるSNSオケの来年の演目が、メシアン『トゥランガリラ交響曲』となったようです。オンド・マルトノは市橋若菜さんです。公演日は2009/8/22とかなり先ですが、オケとしても、オンド・マルトノとしても画期的な出来事ですので、楽しみにしています。
→SNS ORCHESRA - SNS ORCHESTRA
→☆市橋若菜 オンド・マルトノ奏者☆ index.html
投稿者 Utayume : 17:37 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot
2008年11月11日
Atma Classique (2008-11-18)
売り上げランキング: 5285
メシアンのオンド・マルトノ六重奏曲「美しき水の祭典」(「美しい水の祭典」、Fête des Belles Eaux)はつい最近、DGのメシアンボックスでAdès音源が再発されたばかりですが、メシアンイヤーに相応しく、何と今度は新録音で発売されるようです。
「Ensemble D'Ondes De Montreal」となっているので、カナダのジャン・ローランドー(Jean Laurendeau)氏を中心とするグループだと思われます。Ensemble D'Ondes De Montrealはかつて、「美しき水の祭典」の一部である「Oraison」のみを録音しています。
なお、ワタシの知る限り、「美しき水の祭典」は、Adès盤、Erato盤、REM盤、原田節に続き、5度目の録音です。
当然必聴です。
投稿者 Utayume : 23:48 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot
2008年10月22日
HMVに注文しておいた32枚組の『Messiaen Complete Edition』が届きました。
このボックスには3曲のオンド・マルトノ使用曲が収録されています。
予想通り「美しき水の祭典」(美しい水の祭典、Fête des Belles Eaux pour sextuor d'Ondes Martenot)はAdèsの音源でした。CDのライナーには「Sextuor Jeanne Loriod」(ジャンヌ・ロリオ六重奏団)としか記載がありませんが、この時のオンド・マルトノ奏者六名は、Jeanne Loriod、Christine Clement、Valérie Hartmann-Claverie、Dominique Kim、Philippe Raynaud、Pascale Rousse-Lacordaireです。ちなみに、初出(かどうかはわかりませんが、ワタシが持っている)LPは以下のオンド・マルトノ発明50周年アルバムです。
初CD化だと思います。今まで個人でLPからデジタル化した音源を聴いていましたので非常に嬉しい再発です。
また、同じ27枚目に収録されている、ピアノとオンド・マルトノための「未刊の音楽帖」はJADEから発売されている音源(以前のエントリーを参照)と同一です。
もうひとつのオンド・マルトノ使用曲は、ミョンフン指揮フランス国立放送響の「神の降臨のための3つの小典礼」。これは今年8月に録音され、単品では先月発売されたばかりの最新録音ですから大サービスです。
しかし、残念ながらこのボックス、既にどこも売り切れのようです。入荷数が少なかったのか需要が多かったのか。少なくともHMV、タワー、Amazonのオンライン販売リストからは消えていますので、もし店頭で見つけたら即購入しておくことをオススメします。たぶん、買っておくとヤフオクでは購入価格以上で売れますよ。(笑)
メシアン、オリヴィエ(1908-1992) ( Olivier Messiaen ) / コンプリート・エディション(32CD)
ひとつバーゲン情報。
グラモフォンではありませんが、EMIのメシアンボックス(14CD)がiTSでは本日現在爆安の1500円で売っています。CD現品は7000円前後するものですので、買っておいても損はないかもしれません。
Olivier Messiaen - Messiaen: 100th Anniversary Box Set (←クリックでiTunesが起動します)
個人的にはプレヴィンの『トゥランガリラ交響曲』は好みではありませんが、テリー・エドワーズの『小典礼』(以前Virginレーベルで発売されていた音源)はオススメできます。
追記・訂正
上で「3曲のオンド・マルトノ使用曲が収録」と書きましたが、嘘です。(笑)
もう1曲、CD4毎分に及ぶ長大なオペラ『アッシジの聖フランチェスコ』にも3台のオンド・マルトノが使われており、Jeannne Loriod、Valérie Hartmann-Claverie、Dominique Kimの3者によって演奏されています。
このオペラの全曲録音はこのケント・ナガノのDG盤と小澤征爾によるものと2種類しか存在しません。1度は聴いておいた方がよい曲です。
投稿者 Utayume : 13:47 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot
2008年10月21日
現在放映中のアニメ『鉄(くろがね)のラインバレル』でオンド・マルトノが使われているらしい。(情報源1 情報源2)
早速放送(第2話)を見てみると、確かにオンド・マルトノらしき音は聞こえるものの、少なくともワタシが聴いた範囲では、あまりオンド・マルトノの表現力を活かした曲ではなかったように思います。アニメ自体もワタシの好みではありませんでしたが、オンド・マルトノが他にも使われているようなので、引き続き見てみたいと思います。とは言え、全体のBGMのクオリティは高く、OPのALI PROJECT、EDの坂本真綾といい、豪華です。
なお、音楽はコーニッシュ(←不勉強ながら存じ上げません)、音楽制作はflying DOG / JVCエンタテインメントです。オンド・マルトノをどなたが弾いているのかは不明。サントラの発売を待ちたいと思います。
投稿者 Utayume : 23:09 | トラックバック (0) | 01 Ondes Martenot /08 Manga&Anime